ブレーキフルードのメンテナンス

<ブレーキフルードの役割>
ブレーキレバーを握るとのピストンが押されてブレーキラインに油圧が発生します。 油圧はキャリパーに伝わり、ピストンがブレーキパッドをブレーキディスクに押付けることでブレーキが効きます。 ブレーキフルードの役割は油圧を伝えることの他に、ブレーキライン内の水分を吸収すること、錆の発生を防ぐこと、ブレーキフルードの温度が変化してもブレーキフィーリング一定に保つことです。

<ベーパーロックとは?>
ブレーキを掛けた時に発生する熱はブレーキフルードに伝わり、レースやハード走行でブレーキを酷使しするとブレーキフルードの温度は急激に高くなります。 ブレーキフルードの沸点が低いと、沸騰してブレーキラインの中に気泡が発生します。 気泡には伸縮性があるためブレーキを強く掛けても油圧がキャリパーピストンに伝わりにくく、ブレーキが効きが悪くなる現象が起きます。 これがベーパーロックです。

F1レースやルマン24時間レースではコーナー手前のハードブレーキングでカーボンディスクが真っ赤になるほど温度が上がり、ブレーキフルードの温度は300度以上になります。 ブレーキフルードの沸点がそれ以下だったら直ぐにベーパーロックが発生してしまいます。 スポーツ走行をするバイクや車には沸点の高いブレーキフルードが必要になります。

<ブレーキフルードの規格>
国産車に使われるブレーキフルードはグリコール系を成分にしています。 グリコール系ブレーキフルードは吸湿性があり、ブレーキラインの中の水分をブレーキフルードの中に包み込んで、ブレーキフルード自体の沸点が大きく下がることを防いでいます。 もし吸湿性が無かったら水分はそのまま存在するので、水分は100℃で沸騰し、0℃で凍結してしまいます。

ブレーキフルードの規格はDOT3、DOT4、DOT5.1の3種類に分類されています。
それぞれの規格にはドライ沸点とウェット沸点が定められています。 ドライ沸点はブレーキフルードが新品のときの沸点です。 ウェット沸点は長時間の使用により水分が混入することを想定して、水分が3~5%前後混入したときの沸点で定めています。

DOT3規格 : ドライ沸点205℃以上、ウェット沸点140℃以上
DOT4規格 : ドライ沸点230℃以上、ウェット沸点155℃以上
DOT5.1規格:ドライ沸点260℃以上、ウェット沸点180℃以上

DOT5規格はシリコン系鉱物油でハーレーの純正指定です。
シリコン系とグリコール系の混用はできません。

<ブレーキフルードのメンテナンス>
ブレーキフルードの交換は通常2年とされていますが、これは4輪車の話であって、バイクはマスターシリンダが露出しているため水分の混入が多くなります。 そのためフルードの沸点が下がりやすく、錆の発生も起きやすいので、通常使用でも1年を目安に交換することをお勧めします。

新品のブレーキフルードは無色(淡黄色)ですが水分が混入すると茶系に変色します。 フルードが黒く変色しているのは、ピストンカップやピストンシールのゴムが摩滅してゴミが堆積したものですから、パーツ交換も必要になります。

マスターシリンダやキャリパーを分解洗浄する場合は、速乾性パーツクリーナーや中性洗剤+お湯を使い、組み立てにはブレーキフルードを使います。 ガソリンや洗油は鉱物油のためその成分が残り、内部のゴムシール類に悪影響を与えますので使ってはいけません。 グリコール系ブレーキフルードは塗装を痛めますから、メンテナンスする間はフルードの飛沫がタンクやメータパネルに付かないように布を被せるようにします。

エア抜きが不十分だとレバーのタッチがスポンジーになります。 ブレーキフルードの使用量は0.5ml以下で足ります。 ダブルディスクの場合は微小なエアがキャリパーに残りやすいため、一旦エア抜きをした後、時間を置いてもう一度エア抜きをしてください。 分散したエアが時間を置くと大きな塊に集まるので、エア抜きがしやすくなります。
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by motosprite | 2015-06-26 15:40 | オートバイ一般

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