2015年 06月 21日
CB750K0 最適なオイル選び
エンジンオイルはホンダ純正やカストロール、モチュール、エルフ、WAKO'S等など沢山の種類があって、どれを使ってよいやら迷ってしまいます。
オイルの粘度の数字や規格の文字は知っているけれど、実はあまり意味がよくわからないという声を聞きます。 まして、今から40年近くも昔の空冷エンジンに最適なオイルなんて、何を使っても同じと思われるかもしれませんね。 でも、エンジンの特性に合ったオイルを使えば、エンジンはもっと快適に回り、加速フィーリングもずっと良くなります。
オイル選びのポイントさえわかれば、貴方の乗り方やエンジンのコンディションに合った最適なオイルが選べるようになります。
<オイルの粘度って、知っていますか>
粘度とはオイルの粘っこさを示す尺度です。
オイルの粘度は米国SAE規格で決められていて、番号が大きいほど粘度が高い(硬い、粘っこい)を意味してます。
例えばSAE 10W-30というオイル。 このオイルはマルチグレードタイプと呼ばれ、季節によって使い分ける必要のないオールシーズンタイプのオイルです。
Wの前の数字「10」を低温粘度。 Wの後ろの数字「30」を高温粘度です。
オイルは温度によって粘度が変わります。 冬のように気温が低い時は、オイルは粘っこく硬くなって抵抗が大きいので、始動時にセルモーターの負荷が高くなり、バッテリーも上がりやすくなります。
逆に気温が高い夏場の渋滞など、オイルの温度が高くなると、オイルは水のように粘度が低くなってオーバーヒートしやすくなります。 丁度、天ぷら油が低温だとドロっとしていて、フライパンで温めるとサラサラになるのと同じです。
エンジンには温度が低い時は軟らかめに、温度の高くなった時は硬めのオイルが最適です。 SAE20W-50は10W-30に比べて低温、高温とも硬いオイルです。
【高い粘度のオイルが適するエンジン】
1.高温、高負荷、高回転が連続するエンジン
2.古いタイプのエンジンでクリアランスが広いエンジン
3.メカニカルノイズが大きくなったエンジン
4.オイル消費量が多いエンジン
5.改造して発熱量が増えたエンジン
【低い粘度のオイルが適するエンジン】
1.クリアランスが狭いエンジン
2.シャープな加速やレスポンスを重視するエンジン
3.燃費性を追求するエンジン
<エンジンオイルには3種類あります>
エンジンオイルは原油を精製して作られたベースオイルに様々な添加剤を加えて出来ています。
このベースオイルは鉱物油、部分合成油、化学合成油の3種類があります。
①鉱物油は昔から潤滑油として一般的に使われ、純正オイルの多くは鉱物油が使われています。
②化学合成油はナフサを原料として化学的に精製された高品質なオイルです。
【合成油の特徴は】
1.熱に強い
2.油膜が強い
3.浸透性が高い
4.性能が長持ちする
5.価格が鉱物油に比べ高い
③部分合成油は鉱物油に化学合成油を配合したもので、価格と性能を両立させたオイルです。
<化学合成油とオイルシールの問題>
CB750K0が発売された69年~70年代のエンジンオイルは鉱物油の時代でした。
化学合成油はオイルシールのゴムを収縮させる特性があります。
シールが縮むことによってできる隙間や、シャフトと接するゴムシールが摩滅し、そこからオイルが漏れるという現象が起きることがあります。
しかし現代のオイルシールは品質が改善され化学合成油によるゴムの収縮は起きません。
問題は今まで一度もオーバーホールをしていないエンジンや、40年も昔のデッドストックのオイルシールを使った場合、化学合成油の影響によるオイル漏れが考えられます。
化学合成油はオイル分子が小さく浸透性が良いことから、ケースの合わせ目や古いシールからオイルのニジミが起きる可能性があります。
オイル漏れが心配の場合は、粘度の高い鉱物油を使うことをお勧めします。
<CB750K0に最適なオイル選び>
粘度とベースオイルの種類がわかったら、バイク乗り方とエンジンの状態に合ったオイルを選んでください。


ボアアップ等チューニングエンジンはオイルが高温になるため合成油の高粘度オイルを使ってください。
CB750K0にはJASO-MA規格のオイルを使ってください。 それ他の4輪車用オイルやJASO-MB規格のオイルは、湿式クラッチの滑りを起こす原因になりますので使用しないでください。

追記
昨年8月の猛暑の中、CB750のエンジンはオーバーヒート気味。
ここで威力を発揮したのがBP CLASSIC 20W-60です。 粘度が高いので夏の高温時でもへこたれず、ミッションのタッチもクラッチのつながりもスムーズになり、夏場に使用するのに好印象でした。

by motosprite
| 2015-06-21 19:40
| CB750K0